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コラム
| 2010/07/03 - [アメリカ特許制度] (6) 明細書の記載 |
| 2010/06/24 - [アメリカ特許制度] (5) 出願書類 |
| 2010/06/12 - [アメリカ特許制度] (4) PCTバイパス出願 |
| 2010/06/07 - [アメリカ特許制度] (3) 出願形態 |
| 2010/05/31 - [アメリカ特許制度] (2) USPTO |
| 2010/05/28 - [アメリカ特許制度] (1) アメリカ特許制度の特徴 |
[アメリカ特許制度] (6) 明細書の記載
ここでは出願書類の中核となる明細書(specification)の記載について説明します。
記載の順序
明細書(specification)は以下の順序で記載することが好ましい。(37CFR1.77, MPEP608.01(a))
- Title of the Invention
発明の名称 - Cross-Reference to Related Application
関連出願に関する言及 - 政府支援研究または開発に関するstatement
- CDで提出されたSequence Listing、表、プログラムに関する言及
- Background of the Invention
発明の背景- Field of the Invention
発明の技術分野 - Description of Related Art
関連技術の説明
- Field of the Invention
- Brief Summary of the Invention
発明の簡単な概要 - Brief Description of the Several Views of the Drawing(s)
図面の簡単な説明 - Detailed Description of the Invention
発明の詳細な説明 - Claim(s)
クレーム - Abstract of the Disclosure
開示の要約 - Sequence Listing
コンピュータプログラムリスト
Title of the Invention
- 明細書の最初のページの先頭に記載する。(37CFR1.72(a))
- 500文字を超えてはいけない。2語から7語が好ましい。(37CFR1.72(a),MPEP608.01(a))
- 発明の名称を簡潔かつ技術的に正確に記載する。(MPEP606)
- 訴訟で狭く解釈されるのを防ぐため、最も広いクレームに対応させてできるだけ広い範囲をカバーできる名称とする。→不適切であれば審査官に指摘されるが、そのときに修正すれば足りる。
- 基礎となる日本出願の「発明の名称」の記載にとらわれる必要はない。
- "improved"、"improvement of"、"improvement in"などは発明の名称の一部とは考えられないので、これらの言葉からはじめてはいけない。
- すべて大文字にする。
- "A"や"THE"はつけない。
Cross-Reference to Related Application
- 関連出願の出願番号、その出願との関係を記載する。(37CFR1.78, MPEP201.11)
- 記載例
- 分割、継続、CIP出願である場合
- This is a divisional application (continuation, continuation-in-part) of Application No. ---, filed ---.
- This is a continuation of Application No. ---, filed ---, which was the National Stage of International Application No. PCT/JP03/---, filed ---.
- 継続出願の継続出願である場合
- This is a continuation of Application No. C, filed ---, which was a continuation of Application No. B, filed ---, which was a continuation of Application No. A, filed ---.
- 仮出願の利益を得る場合
- This application claims the benefit of U.S. Provisional Application No. 60/---, filed ---.
- 分割、継続、CIP出願である場合
Background of the Invention
一般的に以下の2つの部分から構成される。(MPEP608.01(c))
- Field of the Invention
発明が関連する技術分野を記載する。クレームされた発明の主題に対応するものでなければならない。 - Description of Related Art
関連技術を説明する。
従来技術についてはあまり詳しく記載しない方がよい。ここにprior artとして記載された技術は、自認した従来技術(admitted prior art)であると判断される(すなわち拒絶理由で従来技術として引用される)場合や権利解釈において不利に働く場合がある。
発明が解決しようとする課題や問題点(課題や問題の発見自体が発明である場合もあるし、products liabilityの問題も生ずる場合がある)も記載しない方がよい。
Brief Summary of the Invention
発明の目的および発明の概要を記載する。(37CFR1.73, MPEP608.01(d))
- 発明の目的
- 目的ごとに別の段落に記載する。
- クレームに対応する目的とする。独立クレームに対応するものだけでよい。
- 複数の目的はなるべく個別に分けて記載した方がよい。すべてを同時に記載すると、すべての目的を達成しないものは権利範囲に含まれないとされるおそれがある。(Vehicular Technologies v. Titan Wheel Intern., 212 F.3d 1377 (Fed. Cir. 2000))
- 発明の概要
- 最近のUS実務においては、クレームをそのまま記載することはしない。クレームを複数の文に分解して、わかりやすくすることが好まれる。また、 compriseやsaidは適当な用語に変換する。
- 発明を理解するために審査官はこの部分を最も丁寧に読むと言われる。
- 発明の効果を記載することができる。
Brief Description of the Several Views of the Drawing(s)
- 図面を簡単に説明する。(37CFR1.74, MPEP608.01(f))
- あまり詳しく説明しない。詳しい説明はDetailed Descriptionの中で述べる。
Detailed Description of the Invention
- 発明を詳細に説明する。(MPEP608.01(g))
- 図面の符号
- なるべく多くの符号を引用して発明を説明する。
- クレームされた要素を図示して説明する。
- 2つの部材や部材とその改良物に対して同一の符号を付してはいけない。
- 注意点
- クレームを作成する際には、実施例に記載したすべてのものをカバーするようなものを作成すべきである。クレームでカバーしていないものについては、実施例 に記載してあったとしても権利範囲に含まれないとされるおそれがある。(Johnson & Johnston Associates Inc. v. R.E. Service Co., 285 F.3D 1046, 62 USPQ.2D 1225 (Fed. Cir. 2002))
- ウェブサイトのURLは含めない方がよい。
- SI単位系を使用することが推奨される。(MPEP608.01)
Claim(s)
クレームの形式 (MPEP608.01(m))
- 法律上のクレームの形式はないが、現在の実務では、各クレームを、"I (or we) claim,"、"The invention claimed is"、"What is claimed is"やこの種の文の目的語とする。
- クレームは大文字から始め、ピリオドで終わる。
- ピリオドは省略を表す場合を除いてクレーム中で用いてはならない。(Fressola v. Man-beck, 36 USPQ2d 1211 (D.D.C. 1995))
- 複数の要素またはステップからなるクレームは、各要素またはステップごとにインデントして改行する。さらに細かく要素やステップを列挙する場合は複数のイ ンデントを使用することもできる。(37CFR1.75(i))
- クレームに図面やdescription中の参照符号をつけることもできるが、その場合には括弧をつける必要がある。この参照符号はクレームの範囲には影 響を与えない。
クレーム番号
- 連続したアラビア数字で番号をつける。(37CFR1.75(f))
- 最も広いクレームをクレーム1にし、すべての従属クレームは従属しているグループごとに記載する。(37CFR1.75(g))
- 審査中は出願時のクレームの番号を維持しなければならない。クレームがキャンセルされた場合に、残ったクレームの番号を振り直してはいけない。クレームが 追加された場合、それまでに提示されていた(enterしたかどうかにかかわらず)クレームの最後の番号に続く番号を振らなければならない。出願が認可さ れるとき、必要であれば、審査官はクレームの番号を連続番号に振り直す。(37CFR1.126, MPEP608.01(j))
独立クレーム
- 可能であれば、独立クレームは以下のものを順に含むべきである。(37CFR1.75(e))
- プレアンブル(preamble):クレームされた組み合わせにおける公知の要素またはステップに関する一般的な説明。日本語のクレームの「~において」 の部分に相当する。
- "wherein the improvement comprises,"のようなフレーズ
- 出願人が新規な部分または改良部分と考える部分を構成する要素、ステップ、および/または組み合わせ
多数従属クレーム
- 複数のクレームを引用する従属クレーム(多数従属クレーム)は、引用するクレームを選択的に引用しなければならない。(37CFR1.75(c), MPEP608.01(n))
例:"A machine according to claims 3 or 4, further comprising ---"は認められるが、"A machine according to claims 3 and 4, further comprising ---”は認められない。 - 多数従属クレームは、1つのクレームセットだけを引用できる。例えば、“A device as in claims 1, 2, 3, or 4, made by a process of claims 5, 6, 7, or 8”は認められない。(MPEP608.01(n))
- 多数従属クレームは他の多数従属クレームの基礎とすることはできない。(37CFR1.75(c))
Abstract of the Disclosure
- 形式
- separate sheetに記載し、好ましくはclaim(s)の次に記載する。(37CFR1.72(b))
- 1つの段落とする。
- 記載事項
- 明細書の技術的開示の簡単な要約を記載する。(37CFR1.72(b))
- 表題は"Abstract of the Disclosure"または"Abstract"とする
- 150語、25行を超えてはいけない。50-150語にする。
- 発明の効果や用途、先行技術との比較は記載しない。(MPEP608.01(b))
- 記載すべき事項 (MPEP608.01(b))
- 機械や装置:構成・作用
- 物:製造方法
- 化学物質:物質の特定・使用法・特性
- 混合物:成分
- プロセス:ステップ
- 特許に特有な表現(means, compriseなど)は避ける。審査官に指摘される場合がある。
- means -> device
- comprise -> have
- said -> the
- according to the invention -> 削除
- クレーム解釈との関係
- 要約の記載がクレームの解釈に用いられることはない。(37CFR1.72(b))

















